「スピカ 羽海野チカ」~スピカで思ったこと~
「スピカ」は羽海野チカさんの初期短編集です。
![]() 【送料無料】スピカ 羽海野チカ初期短編集 |
冬のキリン、スピカ、ミドリの仔犬、はなのゆりかご、
夕陽キャンディー、イノセンスを待ちながらの6編。
表紙にはそれぞれの短編の登場人物が描かれて
います。
それぞれのタイトルのひらがなやカタカナの使い方が
大好き。たまに私もこだわって使ってみますが、なかなか
上手く表現できませんなぁ
冬のキリンは父とこどものおはなし。スピカは高校生
の悩みと夢、ミドリの仔犬とはなのゆりかごは童話の
ような世界でのおはなし、夕陽キャンディーは男同士の
軽いBL風、イノセンスを待ちながらは映画「イノセンス」
公開前のエッセイマンガ。
「なにかを好きになるって
そんなに悪いことなのかなあ」
これはスピカでのバレエに打ち込む女子高生美園の
セリフ。
大好きなバレエを続けて、でもなかなか結果が出なくて、
それでもバレエはやめたくない、だって好きなんだから。
そんな美園の心を知らずに母親はバレエが職業になり
食べていける人なんて一握り。だから本当は学業に専念
して欲しいから美園に「もしバレエでだめだったら
みんなに 笑われるのよ」と軽い気持ちで言ってしまう。
そこであのセリフ。涙を流しながら、自分でも結果を出せない
焦りもあるし、母親の言う事も痛いほどわかるジレンマ。
全然違うようだけど、私も同じセリフを自分に問いかけた事
があった。社会人になって自分のお金が自由になり、これで
たくさん映画が観られる、うれしい。だから休みになれば一人で
何本も観て夕方まで家に帰らなくて、でも好きな物を吸収してる
時間はとっても楽しくて。でも、よく父親から言われた。
「休みになれば映画ばかり行って、他にやる事はないのか」
両親はもちろん妹弟もまったく映画を観ない家族。どちらかと
言えば妹弟はスポーツをやるアウトドア派。両親だってTVで
さえ映画観てる場面には一度も出くわした事がない。
自分の趣味が趣味として認められない。家族にわかってもら
えない。でも、父親の気持ちもわからないでもない。映画を
観る事で仕事の役に立つとも思えない。今ならばブログを
書いたり個人で発信できて、それを読んでくれる人がいる
からまた観て何かを感じて、発信して、と思えるけれど…。
スピカの美園は思い切って母親に
「舞台見にきて 小さいころみたいに もう一度見にきて
わたしがんばる がんばるから」
そう告げコンクールに向かう。
そうか、私もあの頃父親に「映画って面白いんだよ。これTV
でやるから一度観てみてよ」そんな風に告げればよかったのか。
頭の中では到底理解されない趣味と自分勝手に思っていただけ
なのかもしれない。
今は映画好きなお友達もいるし、なによりも付き合う前はほとんど
映画なんて関心のなかった旦那くんがお友達と変わらないぐらいに
映画の会話が出来て、一緒に映画観たり、こっそり私の好みで録画
した映画を観たりする。それは「今度これ観ようよ」と私が誘って、
旦那くんが受け入れてくれたからなんだろう。
そして、両親は相変わらず映画には関心ないようだけど、妹からたまに
「こんなジャンルの映画探してるんだけど、何かない?」と尋ねられる。
すごく嬉しい。
それでもたまに父親に「まだ映画ばかり観てるのか」と言われる
けど、うふふ~と誤魔化し笑いが出来るまで成長したと思う。
「泣いても やめらんないほど
好きなものがあるってのはさ
きっと すごいことなんだぜ?」
*長くなったので今日はこのへんで次回他の作品持ち越し~
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コメント
この記事へのコメントは終了しました。
こんにちは^^
この本はタイトルは知っていても読んでいません。
でも、そ~いう話しなんだ~って思った^^
私はそのバレエが音楽に変わった感じで似たような会話をしてた記憶があります。「音楽で食べれる人は一握りよ」ってね^^
でも、細々と音楽の仕事を得て今に至っていますが、
やっぱり生活するにはOLが一番かな。
昔、OLもやっていてどちらに専念するか悩んでOLを諦めたけど今の御時世、失敗したかな~~って(苦笑)
また、お邪魔します!
投稿: もなみ | 2011年8月 9日 (火) 18時29分
もなみさん、早速来てくださってありがとう
ございます。ココログでもまた交流しましょう。
スピカの話も短編なんだけど、短いのに
自分の事に置き換えて深く考える所なんて
スゴイ表現力だなって思いました。
親も心配だからついつい言ってしまうんだと
今なら思えます。もなみさんのように音楽だと
一層この漫画に近いのでチクチクするかもしれ
ません。でも、今悩みながらも選択した音楽に
携わっているもなみさんは素晴らしいと思います
投稿: 海 | 2011年8月 9日 (火) 18時37分